「美味しいコーヒー」とは?
- 2020.06.13
- コーヒーの歴史 コーヒー豆知識 トランジットビーンの日常
こんにちは、ひげマスターです。
余談から
6月中旬になりました。コロナウイルス自粛に伴う経済のダメージと不自由のない生活という世界が、どれだけ素晴らしいか、大多数の人間が感じ取ったのではないでしょうか?
そして、如何に利便性を求めて生きることが、人の本質を見失い、無駄を消費していることを考えさせられる期間でもあったのではないかと思います。
2020年という始まりは、新しい時代への始まりです。
お気づきですか?常識と非常識が変わりつつあります。
意識してください。
自分で考え、答えを出し、楽しく行動してください。
インフォグラフィックに頼りすぎると…
本質を見抜く力を養ってみてください。
今より楽しい未来で誰よりも美味しいコーヒータイムを満喫できますよ。
まず、本題を理解しやすいようにスペシャルティコーヒーについて触れてみよう。
当店が生豆の仕入に利用させて頂いてる。
スペシャルティコーヒーワタルさんの文を引用させて頂きます。
スペシャルティコーヒーとは?
高度経済成長の大量生産、大量消費の時代を経て、我々は今一度本当の価値のある物を見直す時期に来たのかもしれません。相場商品であるコーヒーもその例外ではなく、過去に量と低価格を至上としたため、品質は置き去りにされ、生産者の収入と地位は低下し、土壌は荒れ、消費者のコーヒー離れが加速しました。 こうした反省から消費者に素晴らしいと評価されるコーヒーとは何であるかと問われたのが、スペシャルティコーヒーの誕生のきっかけでした。
より高い品質を通じて本来のコーヒーの魅力は見直され、素晴らしい品質に対しプレミアムを支払うという概念の誕生は、いままでの生産者との関わりを再認識するこにつながりました。生産国の中でも、その貧しさから自然破壊、児童就労などが行われていた産地では、スペシャルティコーヒーの出現によって販売プレミアムを得ることができ、金銭面の不安が軽減され、消費国では賞賛に値する素晴らしい品質を享受できることとなったのです。スペシャルティコーヒーを通じて生産地に貢献し、世界の懸け橋となり、消費者の皆様に新しい価値をご提案できるように努めてまいります。
スペシャルティコーヒーの定義
特定の生産国の小地域、区画内においてもたらされ、その土地の気候、土壌、人の3要素によって、構成されるテロワール/マイクロクライメット(微小気候)を表現し、魅力ある風味特性を持つコーヒーを 「スペシャルティコーヒー定義する」
スペシャルティコーヒーの品質基準は、カップオブエクセレンスにおけるカッピングプロトルコに基づき、無欠点かつクリーンカップであることを前提とし、 カッピングにおいて収穫後6カ月以内の検体の各項目の総和が80点以上であると認められること。
スペシャルティコーヒーは
「生産から精製、流通まで一貫したトレーサビリティが明確である」こと
「自然環境を尊重し、人道的な取り組みによって、生産される」」こと
「標準的なコーヒーと一線を画し、品質に対するプレミアムが支払われて取り引きされる」こと。
コーヒーのランク分け
SCAJとCOEの評価基準を元にカップテイスターが評価ランク分け
・Top of top Specialty Coffee 88点以上
・Top Specialty Coffee 85点以上
・Specialty Coffee 80点以上
・Premium Coffee 76点以上
・Comercial Coffee 76点未満
カップ評価項目
フレーバー、後味の印象、酸の質、口に含んだ質感、カップの綺麗さ、甘さ、 ハーモニー、総合評価の8項目+基礎点36点で点数評価になります。
スペシャルティコーヒーの変遷
1978年、米国KunutsenCoffeeに代表Erna Kunutsen女史はフランスのコーヒー国際会議において、「特別な地理的環境が生み出す微小気候」マイクロクライメットがもたらす、特徴的な風味特性を持った新しいカテゴリーのコーヒーに対して初めて、「スペシャルティコーヒー「」という名称を用い、その存在を提唱しました。
70年代当初、コーヒーの最大の消費国である米国は大量生産、大量消費のバルクマーケットの渦中にあり、膨大な需要に対応すべく多くの物質を輸入する必要がありました。その中でコーヒーも、その例外ではなく、質は軽んじられ、量の供給のみに重きが置かれました。こうした流れは急激にコーヒーの価値を落としめることとなり、飽和するいわゆる不味いコーヒーによって消費者の関心を失っていくという状況に陥りました。この時点よりコーヒーの消費量は減少の一途をたどり、さらにソフトドリンク等の台頭によってコーヒーは飲料としての魅力をさらに失っていきました。
こうした中で各国のロースターは消費者のメッセージを読み間違え、量偏重であった過去の反省のもとに、消費者にとって魅力的な飲料であったコーヒーを取り戻そうという機運が高まりました。安価なコーヒーが蔓延するマーケットの中、あえて高い付加価値を揚げ、消費者に対しその当時では尤も魅力的な風味特性を持つコーヒーを提供し、その存在を問いました。
買い付け担当者が生産地へ赴いて農園を視察し、彼らが欲求する品質のコーヒーの生産に付加価値(プレミアム)を支払い、消費国の求める新たな品質基準を教育する。こういった新しい取り組みよって、それまで単なる相場商品であったコーヒーは、それ以上の新たな価値を伴ったスペシャルティコーヒーへ昇華されりこととなったのです。
また、品質に対価を支払うといった仕組みは生産者のモチベーションを刺激し、新たな品種の開発、土壌開発、肥料開発、生産処理の研究が行われ、カップオブクセレンスに代表されるようなオークションプログラムは、実需であるロースターと接する機会を提供し、ダイレクトトレードと呼ばれる直接取引が行われるようになりました。
今日ではこうした双方向の関係性が高まり、生産者か消費者への道筋、「From seed to cup」という概念は さらに発展し、スペシャルティコーヒーは、今ではより多様性を増し、常に進化し続けています。
「美味しいコーヒーの定義」とは?
美味しいコーヒーは大雑把に分けるのであれば2つに分けることができます。
1.コーヒー専門店がSCAJ,COE方式のカッピング評価を行い、マイクロクライメットや地域特性の感じられる魅力があり、8項目の総合評価が高いコーヒーであるが、美味しいというよりは、一線を画したコーヒーであること
2.消費者が飲んで、本人の好みの味あること
この二つの定義は、方向性が違う
そもそも、美味しいコーヒーの定義に一貫性がないのです。
嗜好なのか、好みなのか、そこを踏み外すと美味しいコーヒーの定義どころではなくなってしまう場合がでてきてしまうのだ。。
この二つの定義を含んだコーヒーこそが、本当の美味しいコーヒーの位置であり
美味しいコーヒーの定義になるのだろうと思う。
「誤認を与える」マーケット戦略
近年、動画などで、美味しいコーヒーの淹れ方などを紹介しているものがあるが
まったくもって、的を得ていない。理由はいくつかあるので挙げてみよう。
①使用するコーヒー豆のトレーサビリティーの説明がない。
②焙煎の度合いの説明がない
③焙煎されてから何日目のコーヒー豆を使用しているのかの説明がない。
④グラインダータイプや粉の粒度の説明がない
⑤使用する水のミネラルバランスの説明がない
⑥投稿している本人の美味しいと思うコーヒーの味やバランスの説明がない
➆抽出したコーヒーの味やバランスの説明がない
挙げると切りがないのだが
美味しいという定義や根拠が全くもって映像の中に含まれていないのだ。
もはや、只の自己満足の動画であるし、本質が抜けている見せかけ動画である。
これが、素人ならまだ理解できるが
本職が世界一美味しいコーヒーの淹れ方などと、定義なしに動画投稿しているという、何ともお粗末な事例もある。世界一美味しいコーヒーの定義とは何でしょうか?私には解かりません!?でも、コーヒー協会が主催するコンペティションで、実績ができると、そこが何故か、まかり通ってしまうのも、世にも奇妙な世界です。あくまでも競技でのパフォーマンス評価を得ただけであり、美味しいの定義には触れていないですし、そのコンペティションには、世界のコーヒーを扱う人の全体の1%も出場していないですからね。コンペティションで日本一位だろうが、世界一位だろうが、世界一美味しいコーヒーの淹れ方なんて、私には、おこがまし過ぎるし、無責任過ぎて言えないです。
「嗜好と好み」を使い分けて
コーヒーの風味は多様性があり、個人の好みは千差万別ある。
どの抽出方法がどのようなバランス風味を構成するのかを知り
自分の好みに適しているのかを知ることが
個人の思考と好みとの世界一美味しいコーヒーとなるのだ
私たちコーヒーロースターは、世界一美味しいコーヒーを見つける為の
力添えをさせていただいているだけなのだ
一つの抽出方法がすべてを美味しくすることは不可能である。
さて、みなさんは、どう思いましたか?
美味しいコーヒーの定義を持っていますか?
嗜好を楽しむための知識は得られましたか?
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