「珈琲の概念」とは?
- 2019.02.24
- トランジットビーンの日常
こんにちは、マスターです。
大変ご無沙汰しております。
長い間 更新を忘れておりました。
本当に久しぶりのブログ更新でございます。
2019年も始まって早っ2か月が過ぎてしまいました。歳を重ねる度に一年の時間の経つのが
瞬きをするかのように早いです。2018年の1月、2月は大雪で雪掻き続きで疲れましたね
2019年は雪は降って朝方は真っ白になっている事もありましたが
お昼頃には溶けて、さほど交通の乱れもなく何とも快適な冬ですね。
おかげ様で珈琲焙煎豆も多くの方に買い求めに来て下さり
1月、2月と珈琲焙煎の日々が続き、去年と違って充実している一年のスターットをきれております。
TransitBeansも2月1日をもちまして
おかげさまで、4周年を迎えることが出来ました。
この4年間本当にいろいろなことがありました。
楽しいこと、悔しいこと、悲しいこと、残念なこと、呆れてしまうこと、心温まること
一長一短ではございますが いろんなタイプのお客さんと出会い珈琲と時間を共有したことで
私もまた 一人の人間として、1人のプロのコーヒーマンとして成長できていると感じさせて頂いてます。
……………
「ニカラグア ロス・アルトス農園」
さて さて さ~て
今年の第一弾 嗜好品コーヒー ペルラ・ネグラ(黒い真珠)
歴史あるロス・アルトス農園
マラガルパから34㎞離れたヒノテガ北西部の山岳部ラグナ・ベルデに
ロス・アルトス農園があります。ロス・アルトス農園は、元々ミエリッヒ・ファミリーの
親戚であるミエリッヒ・マグ・エヴァン・ファミリーがパルタ社として1908年から
営んでいる最も歴史のある農園です。農園としての規模も大きく
165Haという広大な土地で原生林を残しながら62Haの規模でコーヒーを生産
35人名の常勤の社員が一丸となって高品質なコーヒーの生産に力を注いでいます。
2010年からスペシャルティに特化した生産を進めるべく、正式にFincasMierischクループに合流し
ロット管理や生産処理プロセス、最終的なカップからフィードバックを重ねながら
高品質なコーヒー生産に挑戦しています。そして、スペシャルティーコーヒーとして
プレミアムな対価を得ることで、少しずつ社員の労働環境もより良い環境になるよう
整備をしています。
天地人を似て最高のコーヒーを
原生林の肥沃な土壌環境や清涼な水資源。
労働者と良好な関係と彼らの素晴らしい管理と手仕事。
この2つがロス・アルトス農園を支える軸となり
去年にはカトゥーラ品種のウォッシュドコーヒーをCOEに出品し
90点以上のプルデンシャル・アワードを受賞するなど
大きな実績にも繋がっています。
ロス・アルトス農園では、早朝から収穫・荒選別作業を経て
収穫日夕方には農園内のウェットミルに持ち込まれパルピングされます。
出来上がったコーヒーは、立体的で爽快な酸を有し
その標高と微気候の色をにじませています。
黒い真珠(ペルラ・ネグラ)と名付けた独自の生産処理
ペルラ・ネグラという生産処理は、醗酵行程に着目した
独自の新しい生産処理方法です。
彼らはコーヒーの生産とともに、牛の家畜も手掛けていますが
このペルラ・ネグラという生産処理のヒントになったのはブルーチーズでした。
青カビを纏わせることにより風味を熟成できないかと
このプロセスが生み出されました。
果肉除去したウェットパーチメントは温度管理した冷暗倉庫に運ばれ
黒いビニールで覆いながら5日間カビが生えるまで寝かせています。
このプレ乾燥の工程を彼らは熟成と表現しており
ミューシレージの発酵とともにコーヒーの成分変化が行われていると言います。
放っておくと豆が腐り発酵豆となるため、時間の見極めが丹念に行われます。
プレ乾燥を終えると、カビの育成を止めるために室内のアフリカンベッドに
運ばれ、撹拌を繰り返しながら、ゆっくりとドライングされて仕上げられます。
ペルラ・ネグラのカッピングプロファイリングは、乳酸のようなアシディティ
チーズ、コンデンスミルクのような特徴的な風味を持つと彼らはいいます。
問屋さんのカッピングコメント
チーズのようなクセのあるフレバー
弊社のカッピングでは、上記プロファイルコメント以外にも
ヤクルト、ブルーチーズなど普段耳慣れないようなコメントがでており
非常に癖のある風味が特徴的です、この生産処理を始めてから
4年ほどになりますが、当初はクリーンカップやアフターテイスト
全体のバランスなどスペシャルティとしてのカップクオリティが十分ではありませんでした。
その中、毎年発酵時間や温度の管理、特徴的な風味とのバランスを
模索して挑戦を続けてきました。
ロス・アルトス農園、ミエリッヒの農園の中でも特に標高が高く
他のエリアに比べ豆が皇室で明確なアシディティが特徴的です。
その為、ペルラ・ネグラの不満点だったアシディティの立体感や
ヘビーな印象を改善でき、最終的なカッピングバランスを整えることに
成功していると感じます。
サンプルロースト程度の浅煎りですと、冷めてきた際の風味バランスで好みが分かれるような印象
でしたので、中煎り程度で1度試していただくと良いかもしれません。
コーヒーが嗜好品という事を改めて感じさせてくれるほど非常にクセのある珈琲ですが
是非 焙煎・エイジングや抽出などで新しい風味を模索してください。
マスターカップコメント
浅煎りの中煎り共にベイクド、ブルーチーズのフレバーとアフターテイストは
これまでにない面白みを感じます。アシディティに関しては乳酸のようなところもありますが
割と当店の焙煎プロファイリングとの相性が良いのか
程よいクセで割と飲み易く仕上がっていると思います。
一度 この嗜好品コーヒー ペルラ・ネグラをお話のネタにご賞味ください。
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